吟鳥子(ぎんとりこ)という漫画家の、マンガ以外はスローならくがきブログです。ボードゲーム等も。
すこし、家をるすにしまして、ブログがほったらかしになっておりました。
というわけで久々の更新になりますが、よろしくお願いします。
ええとすこし前のことですが、ひょんなご縁で、
新訳「飛ぶ教室」角川つばさ文庫のご献本をいただいて、
ひゃー!という事件が、ございました。
かのケストナーの名作、「飛ぶ教室」のあたらしい翻訳です。
舞台はドイツのギムナジウム……
小学校の高学年~高校生のいる寄宿舎学校の、少年たちや先生たちの物語です。
こどものころ、「飛ぶ教室」がだいすきでした。
そのころ愛読していたのは、少年少女名作全集に入っていたものでしたが。
こっくりとした油絵の装丁で、なかなか渋いハードカバーでした。
で、今回、いただいた角川つばさ文庫さんの新訳「飛ぶ教室」は……
かわいいっっっっっっ!!!!!!
あんまりにもキャラクターデザインがかわいくてかわいくて、
特にマチアーーーーーーース!!!!!
赤毛のくせっ毛でばんそこだらけでつり目でパンもぐもぐもぐもぐ!
ありがとう!ありがとうキャラデザの方!!!ありがとう!!!
こんな可愛いマチアスをありがとう!!!
……お察しのとおり、こどものころ、マチアスが大好きだったのです……
他のみんなもかわいくてかわいくて、
読んでいる間中、胸の奥底がホコホコあったかくくすぐったくてたまりませんでした。
思わず勢いでらくがきしました。
ちょとごつくなったので高校生くらいのウリーとマチアス(マッツ)ということで!
新訳のウリーもめちゃくちゃ可愛いカッコイイですよ……!
このデコボコべったりの親友ふたり……も、も……悶絶…しますよ………
(ネタバレしないように努力するとこれくらいしか言えない)
翻訳がまたとても良くて、その上にとてもていねいで、
当時のドイツの雰囲気がとても親しみやすく伝わってくるのですが、
このたびの新訳で、
マチアスがどうやら、街のお金持ちの息子らしいのを初めて理解しました。
そして、ふところの広い父親に、とっても愛でられている様子も。
やさしい両親のいる貴族の息子ウリーとは、そんなとこでも……合っているのだなあ……(しみじみ)
べったりと熱い友情のウリーとマチアスと対比?して、どこかわびさび?を感じさせる親友同士といえば。
親とか、経済的にはふくざつなものを抱えているふたり。
マーティンとジョニー。
ジョニー……?
と、首をかしげる方もおられましょう。
私がこどものころ読んだ数十年前の翻訳では、「ヨーニー」でした。
ヨナタン・トロッツという名前で、愛称「ヨーニー」。そう書いてありました。
今回の新訳では、「ジョニー」です。
私も、???と思ったのですが……はっ!と気づきました。
そう!ヨーニー/ジョニーは、ドイツ人とアメリカ人の国際結婚の子でアメリカ生まれ、幼児期をアメリカですごしているんですね!
その……5歳のときに、ドイツ行きの船に捨てられて、両親も行方不明なんですけれども……
ということは……
彼が覚えている、両親のそろった短い生活で呼ばれていた名前は、
おそらく「ジョニー」なんです!
ドイツ名である「ヨナタン」ではなく、英語名である「ジョナサン」!
そう気づいたときに、ギュッと心臓をつかまれたのは、感傷過多というものでしょうか。
彼が、ギムナジウムの仲間たちに「ジョニーと呼んでよ」と言ったとしたら。
(心臓がギュギュギュッ)
ほかにも、とても繊細な翻訳があちこちに見られて……
当時のドイツマルクを、現代の円に換算したものが説明として入っているのですが、
それを見たときに、奨学生の秀才マーティンと彼の両親が、こんな…金額で、こんなにもこんなにも泣かなければならなかったのかと、いままでこども心にぼんやりと受け止めていた悲劇を、初めてまざまざと理解して、再読なのに涙がぼとぼと落ちてきたわけです……
そんな環境の中で……「一生、いっしょにいようね」とばかりに手をにぎりしめあうジョニーとマーティン……もうこのふたり……このふた(ネタバレ禁止)
そんなわけで、とってもオススメの新訳「飛ぶ教室」でした。
読み終わるのがもったいなくてもったいなくて……という読書体験をひさしぶりにしました。おもしろかったー!
そして……メインキャラクターの5人(ごめんなさい、眼鏡っこのセバスチャンを描きそこないました)もすばらしいのですが……
わくわくと読んでいて、本文の中にあるちいさなモノクロの挿絵で、
とうとつに横からパンチをくらったのが、
ルディ・クロイツカムのキャラクターデザインでしたキャー!
絵がおおきすぎてごめんなさい。
愛のあまりにごめんなさい。
こんな子が、実業学校の生徒たちにつかまって地下室で椅子にくくりつけられ、
マチアスにマーティンにジョニーが地下室をやぶって助けにくるまで、
二時間半ものあいだ10分おきに6発もなぐられていた…なんてー!!!
なんてことだ!なんてことするんだー!!!
そんなことされたのに、椅子をけりたおして起き上がるルディが最高だー!!!
(その後ろで、見張りの実業学校の生徒に、ダブルネルソンというレスリング技をかけて気を遠くさせているマチアスが素敵だー!)
ルディのお父さんのクロイツカム先生もすっとぼけたデザインで、本当に最高です……
もう本当に最高です……
ありがとうございます……
おなかいっぱい満足いっぱいの新訳「飛ぶ教室」角川つばさ文庫さんでした!
ところで……
おとなの女性の心をさわがせずにはいられない、
禁煙さんと正義先生の熱すぎる……(ネタバレ禁止)………
…………ごほん。
ネタバレしないで愛を語るのは、とってもくるしいものですね!
さて、遅くなってしまいましたが、「続きはこちら」から、拍手コメントへのお返事をさせていただきます。
拍手ポチだけの方も、本当にありがとうございます!
というわけで久々の更新になりますが、よろしくお願いします。
ええとすこし前のことですが、ひょんなご縁で、
新訳「飛ぶ教室」角川つばさ文庫のご献本をいただいて、
ひゃー!という事件が、ございました。
かのケストナーの名作、「飛ぶ教室」のあたらしい翻訳です。
舞台はドイツのギムナジウム……
小学校の高学年~高校生のいる寄宿舎学校の、少年たちや先生たちの物語です。
こどものころ、「飛ぶ教室」がだいすきでした。
そのころ愛読していたのは、少年少女名作全集に入っていたものでしたが。
こっくりとした油絵の装丁で、なかなか渋いハードカバーでした。
で、今回、いただいた角川つばさ文庫さんの新訳「飛ぶ教室」は……
かわいいっっっっっっ!!!!!!
あんまりにもキャラクターデザインがかわいくてかわいくて、
特にマチアーーーーーーース!!!!!
赤毛のくせっ毛でばんそこだらけでつり目でパンもぐもぐもぐもぐ!
ありがとう!ありがとうキャラデザの方!!!ありがとう!!!
こんな可愛いマチアスをありがとう!!!
……お察しのとおり、こどものころ、マチアスが大好きだったのです……
他のみんなもかわいくてかわいくて、
読んでいる間中、胸の奥底がホコホコあったかくくすぐったくてたまりませんでした。
思わず勢いでらくがきしました。
ちょとごつくなったので高校生くらいのウリーとマチアス(マッツ)ということで!
新訳のウリーもめちゃくちゃ可愛いカッコイイですよ……!
このデコボコべったりの親友ふたり……も、も……悶絶…しますよ………
(ネタバレしないように努力するとこれくらいしか言えない)
翻訳がまたとても良くて、その上にとてもていねいで、
当時のドイツの雰囲気がとても親しみやすく伝わってくるのですが、
このたびの新訳で、
マチアスがどうやら、街のお金持ちの息子らしいのを初めて理解しました。
そして、ふところの広い父親に、とっても愛でられている様子も。
やさしい両親のいる貴族の息子ウリーとは、そんなとこでも……合っているのだなあ……(しみじみ)
べったりと熱い友情のウリーとマチアスと対比?して、どこかわびさび?を感じさせる親友同士といえば。
親とか、経済的にはふくざつなものを抱えているふたり。
マーティンとジョニー。
ジョニー……?
と、首をかしげる方もおられましょう。
私がこどものころ読んだ数十年前の翻訳では、「ヨーニー」でした。
ヨナタン・トロッツという名前で、愛称「ヨーニー」。そう書いてありました。
今回の新訳では、「ジョニー」です。
私も、???と思ったのですが……はっ!と気づきました。
そう!ヨーニー/ジョニーは、ドイツ人とアメリカ人の国際結婚の子でアメリカ生まれ、幼児期をアメリカですごしているんですね!
その……5歳のときに、ドイツ行きの船に捨てられて、両親も行方不明なんですけれども……
ということは……
彼が覚えている、両親のそろった短い生活で呼ばれていた名前は、
おそらく「ジョニー」なんです!
ドイツ名である「ヨナタン」ではなく、英語名である「ジョナサン」!
そう気づいたときに、ギュッと心臓をつかまれたのは、感傷過多というものでしょうか。
彼が、ギムナジウムの仲間たちに「ジョニーと呼んでよ」と言ったとしたら。
(心臓がギュギュギュッ)
ほかにも、とても繊細な翻訳があちこちに見られて……
当時のドイツマルクを、現代の円に換算したものが説明として入っているのですが、
それを見たときに、奨学生の秀才マーティンと彼の両親が、こんな…金額で、こんなにもこんなにも泣かなければならなかったのかと、いままでこども心にぼんやりと受け止めていた悲劇を、初めてまざまざと理解して、再読なのに涙がぼとぼと落ちてきたわけです……
そんな環境の中で……「一生、いっしょにいようね」とばかりに手をにぎりしめあうジョニーとマーティン……もうこのふたり……このふた(ネタバレ禁止)
そんなわけで、とってもオススメの新訳「飛ぶ教室」でした。
読み終わるのがもったいなくてもったいなくて……という読書体験をひさしぶりにしました。おもしろかったー!
そして……メインキャラクターの5人(ごめんなさい、眼鏡っこのセバスチャンを描きそこないました)もすばらしいのですが……
わくわくと読んでいて、本文の中にあるちいさなモノクロの挿絵で、
とうとつに横からパンチをくらったのが、
ルディ・クロイツカムのキャラクターデザインでしたキャー!
絵がおおきすぎてごめんなさい。
愛のあまりにごめんなさい。
こんな子が、実業学校の生徒たちにつかまって地下室で椅子にくくりつけられ、
マチアスにマーティンにジョニーが地下室をやぶって助けにくるまで、
二時間半ものあいだ10分おきに6発もなぐられていた…なんてー!!!
なんてことだ!なんてことするんだー!!!
そんなことされたのに、椅子をけりたおして起き上がるルディが最高だー!!!
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ルディのお父さんのクロイツカム先生もすっとぼけたデザインで、本当に最高です……
もう本当に最高です……
ありがとうございます……
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ところで……
おとなの女性の心をさわがせずにはいられない、
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漫画家の吟鳥子(ぎんとりこ)のブログです。
日々、まんががあれば幸せです。
良きまんがを愛してぼちぼちスローに生きています。
○単行本○
秋田書店/ボニータコミックス
「アンの世界地図」1〜
新書館/ウィングスコミックス
「いづれの御時にか」(いづれのおんときにか)全2巻
(日本語版、台湾版)
「鎖衣カドルト」(さいかどると)
(日本語版、台湾版)
「一人の王にさしあげる玩具」(ひとりのおうにさしあげるがんぐ)
(日本語版、台湾版、韓国版)
エンターブレイン/ビーズログコミックス
「架カル空ノ音」(かかるそらのね)全4巻
(日本語版、英語版、韓国語版、スペイン語版)
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「ボードゲーム」
最近、みんなで遊べるボードゲームにこっています。
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こちらにある全ての絵の転載(画像を保存して公開すること・画像に直接リンクを貼ること等)は不許可です。
個人的ダウンロード(画像の保存)も、ご遠慮ください。
オリジナルイラストと吟鳥子の商業作品の絵は、すべて吟鳥子が著作権を有しています。
二次創作イラストはその題材において原作者と出版社に著作権がありますが、
二次創作イラストそのものの著作権は吟鳥子が有しています。
(原作者サイドからのクレームがあった場合は、すぐに消去いたします)
以上の理由から、閲覧者による無断転載・無断使用を禁じます。
悪質な場合は、法的手段による厳重措置をとらせていただくこともあります。
また、吟鳥子の商業作品のイラストに関しては、すべて出版社の諒解のもとに掲載しています。
If you find any copies of my works in any other places being used on a web site, printed or sold without my permission, please inform me as soon as possible, for there is a possibility of an infringement of copyright. It is also helpful if the URL or the place they are being printed or sold is indicated, so that it is possible to warn or to take legal actions against the person involved.
日々、まんががあれば幸せです。
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